あしたから はるやすみだ!
はるやすみには レンが来る!
あしたの昼にはつくって ミハシのおばさんが言ってた。
あしたの昼にはレンがいるんだ!
なんだかそわそわする。
がっこうが終わって ハタケがあしたあそぼーなって言ってくれたけど オレは用事があるってことわった。
だってレンはこっちに来たら すぐにオレに会いに来る。
オレが家にいなかったら きっとレンは泣くんだ。アイツ泣き虫だから。
レンを泣かすやつは オレがやっつけてやるって やくそくしたんだ!
いつも母さんに言われてもやらないそうじを少しだけした。
オレとレンがふたりで座れる場所を作っておかないと。
こないだ新しいゲームを買ってもらったんだ。きっとレンもやりたがる。
ゲームして キャッチして いっぱいレンとあそぶんだ!
いっぱいレンと話すんだ!
がっこうはきらいじゃないけど 長い休みが大好きだった。
もうすぐレンに会える。
はやくあしたになれ!
**
起きて時計をかくにんして あせった。
もう11時をすぎてた!
「母さんなんで起こしてくんなかったんだよ!」
とりあえずやつあたりをしながら いそいできがえた。
「なんども起こしたわよ」
遠くからのんびりした声が返ってくる。
きのうはなかなか眠れなくて それで起きれなかったんだ。
「くそ!」
でもきっとギリギリセーフだ。
まだお昼にはなってないし レンが来たなら母さんがそう言うはずだ。
まにあったことに安心したら おなかがすいた。
台所へ行くと ちゃんとオレの分のごはんがあった。
もうすぐレンが来ると思うと落ち着かなくて ご飯をかっこんだ。
「そんなに慌てて食べるんじゃないわよ」と 母さんに笑われた。
お昼って12時のことだと思ってた。
それなのに12時を過ぎても レンが来ない。
部屋のまどから見えるミハシの家の前の道路を ジッと眺める。
こうしてればレンが来たときにすぐにわかる。
でも いつまでたっても レンは来ない。
同じたいせいでいるのに ちょっとつかれて ゲームでもしながら待ってようと ゲーム機のスイッチを入れた。
車の音が聞こえるように まどを開けておく。
とくいなゲームなのに 今日はなんだか調子が悪い。
5回同じところで失敗して オレはコントローラーを投げつけた。
ぜんぜん うまくいかない。
レンが 来ない。
re → to 2